ほうきにまたがり

トイレはエジプト考古学博物館の近くの建設労働者用の物を使ってたり、水場も建設現場の横にある物を使ってます。
どちらも元々写真の奥側に見える建設現場のものなんですね。

ケンタッキーフライドチキンのクリニックは初期に病人などを運び込んだケンタッキーがそのままデモ隊に引き継がれたものですし、NewspaperWallは閉じている商店のシャッターに新聞を貼りだしているものです。
最初に誰かが貼りだしたのがそのまま引き継がれたんでしょう。

ゴミ箱はデモ隊が広場を清潔に保つという事で設置したものですが、これは日本では驚くかもしれませんが、エジプトではデモに便乗する輩の博物館の略奪などに対して自発的に地域の市民による自警団が出来るなど、市民の文化や街に対する意識が高く、それほど驚くことではありません。
とは言っても広場には膨大なゴミ出たようでこんなゴミ箱で足りるわけも無く、政権崩壊後の報道で掃除する光景が出ていましたけど。

またFood Stallsは机一つの屋台を出していたりします。
この辺はさすがに観光客が集まる生き馬の目を抜くカイロだけあって、人の集まるところにはこういった屋台の人たちが集まります。

こうしてみると組織的に反政府的な団体が支援、または作ったであろうまともな物はメインステージとそのスピーカーズコーナーやテレビを投影するスクリーンくらいでしょう。

人数的にも数十万人のデモとなってましたが、この写真を見る限り、この広場だけに数十万人もどう見てもいません。
町のあちこちに繰り出していると言う状況でしょう。
その場所ごとにテントもあり、屋台も出てという状態だったことが想像できます。
そしてそれは遠くからイベントに来たと言うよりは、街の人が毎日繰り出していると言う状態。
ですからテントで泊り込みをしている人、夜な夜な出てくる人、昼間に出てくる人がいるだけで、全ての人が同一の人でそこに数十日間とどまっていたわけじゃありません。
そもそもの前提として山の中のロックフェスティバルのように他から人が集まったのとは違う訳です。

また今回のデモは軍や警察が静観する構えを見せたのも大きいです。
乱闘になってたらこうは行きません。
もちろん一部で衝突や死傷者も多く出ましたが、基本的にはデモ隊は常に街中で落ち着いてデモを”エンジョイ”出来た環境でした。
ですから毎日のように入れ替わり立ち替わり街の人たちが出てくることが出来たわけです。

当然ある程度の簡単な支援は野党の政党組織や反政府団体、自発的な市民などからあったと思いますが、それがイベントのスタッフのようなものと考えるのはちょっと違います。
そう思いたい人がいると言うのは分かりますが。
単純に計算しても10万人いれは一食食べれば10万食、3日間で100万食近くになります。
トラックの5台や10台では間に合いません。
逆に言えば先月末から20日近く、数十万人の食料だけでもイベントとしてやってたら持ちません。
自然発生的に街の人が繰り出してくる状態だったからこそここまで出来たとも言えるわけです。

陰謀論的な推測と言うのはTwitterとかネットでありがちで、その手の推測は好きな人が多いですが、
そういった願望のイベント企画みたいなマネジメントとは残念ながらちょっと違うようです。